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2006年11月19日 (日)

幻想のモンサンミッシェル



それを目にした時浮かんだのは 「あ 宮崎アニメ・・・・」
パリを早朝経って4時間ほど
ようやく霧の中に浮かぶようなその島のシルエットを見た時のこと


Msm





















まだ遠い位置にあるそれが 「天空の城ラピュタ」や (はっきり言って駄作と言わせていただきたいけど)「ハウルの動く城」を思い起こさせたのだろう
周囲の穏やかな田園風景から浮きまくっている異様なシルエットはまた巨大な「軍艦」あるいは「廃墟の要塞」を連想させた
ということで世界遺産 モン・サン・ミッシェルをようやく訪ねることが出来ました

Msm5  モン・サン・ミッシェルは「聖ミカエルの山」という意味になるのだろうか
その名の通り大本山というか 聖地に作られた修道院である
伝説によると八世紀のはじめ ノルマンディ大司教の夢に大天使ミカエルが現れてトンプ山の頂上に教会を建てるように告げられた
お告げ通り司教が小さな礼拝堂を建てると周囲はたちまち津波に覆われて湾になり 礼拝所のある場所は孤島になったと伝えられている
Msm2  現在島の周囲は広大にして荒涼とした干潟である
以前は満潮になると周囲は完全な海となったそうだ
一日に2回 馬が早足で駆けるような速度で潮が満ちてくる
聖地モンサンミッシェルをめざして巡礼に来た多くの旅人が潮に溺れ あるいは底なし沼のような海岸の粘着質な砂に呑み込まれて命を落としたという
Msm1  今は島と陸をつなぐ道路が出来 また工事のため潮の流れがせきとめられてもう孤島になることはなくなったが・・
10世紀ごろ ベネディクト派の修道院が建てられてから500年あまりのあいだ 増改築が繰り返された
それだけ長い間のことだから当然建築様式も変り 院内はゴシック ロマネスクなどそれぞれの時代を映した様式が混在している
教会 修道院としての存在以上に フランス北部ノルマンディという場所柄モン・サン・ミッシェルは英仏海峡の戦闘の最前線として過酷な運命にさらされ  100年戦争の間は要塞として使用されたそうだ
当然軍事施設としての改築も行われている
要塞のイメージはやはり間違ってはいなかったわけね・・・

Msm3




















島の入口に大駐車場があり そこから歩いて島に向かう
要するに門前町というか 狭い坂道の両側にはレストランやお土産店が軒をつらねている
Msm8_2


















  どこかを思い出すなあと思ったら 友人も異口同音に「江ノ島!」(笑)
江ノ島など歩いたのはずいぶん昔なのにぱっと連想するということはよほど感じが似ているのだろうと可笑しくなる
しかも聞こえてくるのは「イラッシャイマセ~」って 何だなんだ 日本語ではないか
日本語の看板なんかもあるしっ!

Msm4  ああなんか気分ぶち壊しだなあ・・という思いと 意地でもフランス語しか使わない!という良く言えば誇り高く 悪く言えば傲慢で意地が悪いフランス人もずいぶん変ったなあ・・という思いが交差する
そういえばユーロに変ってから来るのは初めてだったが そのことも想像以上に意識の変革をもたらしたのかもしれないと納得
にしても「イラッシャイマセ」っていうのはやはり 恥も外聞もないという気がしないでもないですけどね・・・



院内はともかく迷路!の一言に尽きる
ツアーだったのでガイドさんの後に付いて見学したのだがどの位置にいるのやらさっぱりわからない
Msm10 階段を降りたり登ったり 急に開けたところに出たりいつのまにか地下のようなところにいたり
またまた悪夢のように「ハウルの動く城」がフラッシュバックする気が・・
そうなんですよね 宮崎駿監督のアニメの多くが「悪夢」の要素を持っている
過去なのか未来なのかもよくわからない世界の異形なモノや空間 何だかそんな世界にモン・サン・ミッシェルは感応しているというかオーバーラップするような妙な気分に捕われる
13世紀頃に作られた身分で場所を分けるための重層構造の部屋べや 100年戦争当時の軍事施設などが次々と姿を現し その迫力に圧倒され 複雑さにめまいがしてくる
はたまたフランス革命の折には刑務所として使われたという史実も
誰も観光客がいなくなったら それこそあちこちに潜んでいる 何百年もかけて醸し出された?「魔」がその姿を現すような
Msm7
とはいえやはり修道院という修業の場
聖書を暗記するために修行僧がそぞろ歩いたという回廊や 聖書を朗読をする一人の僧以外はひとことも口をきかず壁に向かって食事をしたという食堂などを見ると 当時の雰囲気が伝わってくるようで厳粛な気持ちに
下の写真は説教をする司祭さんならぬ解説中のガイドさん
我々も修行僧のごとく行儀良く座って真摯に耳を傾けたのでありました
(これは友人撮影)

Msm9 

敬虔な祈りの場として 己を律する厳しい修業の場として 修道士たちの生活様式によく配慮された建築であると同時に 100年戦争の際にもついに一度も侵されなかった難攻不落の要塞としての建築物 
大いなる矛盾も感じるが それは現代の感覚なのだろう
何百年ものあいだこの孤立した城砦の中で過ごした人々のさまざまな思いを想像する時 この美しく 反面いびつでグロテスクで不可思議な姿が納得できる気持ちになる
そして19世紀に始められて今も続いているという修復工事の行方は・・・・多分この世の終わりまで完結はされないのじゃないかという気がする
そういえばあまりにも観光化され過ぎたという反省もあり 島へ渡る道路を取り壊してもとの姿に返そうという動きもあるようだ
Msm5_2  中世の人々が夢みた天空のエルサレム 一度は見たかったモン・サン・ミッシェル やはりはるばる見にくるだけの価値はあった
最後に振り帰ったモン・サン・ミッシェルは来た時と同じように 夕暮れのもやの中に異様なシルエットを浮かびあがらせていた
もうこれ以上は滅びない 夢の跡
あらゆる意味で「幻想のモン・サン・ミッシェル」というフレーズがやはり一番ふさわしいのかもしれない
世界が滅びたあとも ここだけは変らずに残っているのかもしれない・・・なんて思ったりして・・

Msm11

考えてみたら肝心の「全景」を撮れなかったんですよね(;^_^A
というわけでこちらは絵葉書から転載いたしました

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